-主催-

 

北海道医療大学

 

本講演会は、「生涯学習事業」の一講座となっております

各先生からの回答

参加された皆さまからのご質問にそれぞれお答えいただきました!!

 本講演会に参加された皆さま、たくさんのご感想、ご質問誠にありがとうございます。

皆さまからのご質問に、今回講演いただいた先生よりお答えいただきました。

(質問内容の相似したものや、今回の質問として相応しくないと考えられた内容に関しては一部修正、もしくはお答えいただいておりませんことをご了承ください。)

なお、過去の質問&回答については、「過去の実績」に掲載させていただいております。そちらも合わせてご覧ください。

『寄せられた質問にお答えします!!』

 

 

11弾講師からの回答

 

 

 

~ 小松信隆先生にお答えいただきました! ~

 

 

 

Q.1.コンサドーレの都倉選手が,食事の時に,「野菜を先に食べます」とコメントしていたのを見ましたが,それはインスリンの分泌が遅いことへの対応ということでしょうか.

 

本人に確認しなければわかりませんが,野菜を先に食べるメリットはインスリンの過剰分泌を防ぐという狙いがあると思います.

 

 

 

Q.2.大食いでやせている方の栄養吸収のメカニズムは,どのように推測出来ますか?

 

吸収が十分に出来ていないか,基礎代謝が高いために消費されていると考えます.

 

 

 

Q.3.食事で口に入れる順番は?[(食前酒があれば初めに) 生野菜,おかず,炭水化物,フルーツ・デザート]

 

インスリンの分泌だけを言えば,食物繊維や脂質を先にということになりますが,日本人の伝統的な食べ方に『口中調味』(味つけのない白いごはんを、口のなかで咀嚼しながら他のおかずで味つけをする,いわゆる「三角食べ」のようなスタイル)という方法があります.それはそれで日本人に合った食べ方だと思っています.

 

 

 

Q.4.血糖値をゆるやかに上昇させる食べ方(食べ順,よくかむこと等も)が体に良いと聞きますが,いかがですか?

 

身体にとって,間違いなく良いことだと思います.(順番はどこまで差がでるのか疑問が残ります)

 

 

 

Q.5.病院の栄養指導が「ナノ分子」の方向にあると聞きます.栄養吸収力の弱い人にはサプリも効果的と聞きますが,いかがですか?

 

病態の要因によって必要な場合が生じるかもしれませんが,普通の生活をする中ではサプリメントは不必要だと思いますし,どのサプリメントをどれだけ必要かを判断できる人は少ないと考えます.(過剰症がある場合は心配です)

 

 

 

Q.6.糖尿病の患者さんが一日に摂取できる糖の量はどれくらいでしょうか?また,蛋白中心の食事で糖を一切摂取していない健康法が一時期話題になりましたが,その中で,ケトン体が脳への栄養になるので糖を摂取しなくてもよいとのことでしたが,実際はどうなのでしょうか(ちなみに糖なし生活は3ヶ月で慣れてくると言われていました).脳への影響についての質問ですが,体への影響もお教え下さい.

 

身体状況により必要摂取量は異なりますが,必要量の55%から60%を糖質(炭水化物)で摂取することが推奨されています.ケトン療法につきましては,ヒトは糖質が足りない時にたんぱく質異化(分解)によってエネルギーを作る仕組みが優先なので,私は賛成しかねます.脳への影響は,高たんぱく質,低糖質の食事により,血液中の分岐鎖アミノ酸濃度が上昇し,脳へのトリプトファンの取り込みが阻害されると言われています.

 

脳のトリプトファンの取り込み阻害は脳内のセロトニン不足を生み,鬱の原因になるとも言われています.

 

 

 

Q.7.タンパク質中心,脂質中心の食事は,がん治療の場面では,糖質をがん細胞に与えないという観点から,良いものと言われているようですが,先生のお考えを伺えましたら嬉しく存じます.

 

治療との兼ね合いがある場合はケースバイケースと考えます.最近はがん細胞を栄養不足にするよりも,全身の栄養状態を保つことを優先すると伺っておりましたが.

 

 

 

 

 

 

 

~ 長谷先生にお答えいただきました! ~

 

 

 

Q.1.骨粗しょう症(腰)であれば顎の骨の弱まりは早くなるのでしょうか?

 

骨軟化症では全骨量(類骨と石灰化した骨の合計)は減少しませんが,骨粗鬆症では全骨量が減少するのが特徴であるため,顎骨にも影響するものと考えられます.好発部位は背骨(脊椎椎体),脚の付け根(大腿骨近位部),手首(橈骨),腕の付け根(上腕骨)と報告されており,顎骨に影響が出たという報告は聞いたことがありません.ただし,一般的に骨粗鬆症と顎骨の関係と言えばBP製剤などの薬剤による影響として薬剤性顎骨壊死が注目されております.

 

 

 

Q.2.食べたくない方へのアプローチ,食支援はどうされていますか?

 

食べたくない理由(認知機能低下?神経性食欲不振?など)によるので一概に回答できませんが,無理に食事を勧めるとかえっておかしなことになるので,嗜好や昔好きだったものを家族などから情報調査し,時間をみて提供することも取り入れております.

 

 

 

Q.3.食べさせる姿勢はどのような姿勢が良いですか?

 

背景疾患や麻痺の有無によるので,「その人に合ったポジショニング(姿勢)」を検討する必要があります.

 

 

 

Q.4.摂食嚥下について問いただされている昨今,リハビリはどのようなことを行うとよいですか?

 

リハビリの目的と効果を考えてマネジメントしましょう!決して無駄というものはありません.しかし,一律に教科書的な回復・改善に期待できるものではないので対象者本人や周囲が疲弊しないように(特に間接訓練),しっかり説明して行う必要があります.

 

 

 

Q.5.VFVEの設備がない場合,義歯を入れたほうが食塊形成や嚥下を阻害すると判断したとき長谷先生が特に気を付けるポイントがあれば教えてください.

 

そもそもVEVFによって知り得る所見なので,外観観察のみから決めつけることは逆に危険です.ただ,いつもまでも口腔内に食塊が停滞し,嚥下潜時が延長するようであれば,義歯を外して食形態を変更するなど試みてよいかと思います.

 

 

 

 

 

ご質問頂いた皆様,

そして一つ一つご丁寧にお答えいただいた講師の先生がた,

本当にありがとうございました!!

 

 

 

 


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